相続税がかからない!?
相続税がかからない相続財産があるのをご存知ですか?
相続では原則として、相続によって取得した全ての財産に、相続税が課税されます。
ところがそれは原則の話で、例外があるのです。
相続によって取得した財産の中には、財産の性質、社会政策、国民感情などから相続税が課税されることが適当でないものもあります。
そのような財産は、相続税の非課税財産といい、相続税の課税の対象にならないのです。
非課税財産とは?
それではどのような財産が非課税財産となるのでしょうか?
非課税財産には、
①墓地、墓石、霊廟(霊をまつってある建物)
②仏壇、仏具、位牌
③神棚、神具
④相続人が受け取った生命保険金等のうちの一定金額
⑤相続人が受け取った退職手当金のうちの一定金額
などがあります
非課税財産で損をしたケース

都内にお住いのAさんのケースです。
寝たきりの状態が続いていた父親が亡くなり、四十九日法要もなんとか無事に済ませることができたAさん。
一人っ子で、母親はAさんが働き始めた頃に亡くなっていたので、父親が亡くなって以来、一人で全てをこなし、何かと忙しい生活を送っていたAさんでしたが、やっと日常の生活を取り戻し始め、そろそろ相続の相談に行った方が良いのかと思いつき、税理士事務所に相談に行きました。
税理士との話は、葬式や墓地の話にまで及びました。
税理士 葬式費用は相続財産から控除することができますので、領収書をお持ち下さい。
Aさん 300万円もかかったので、相続財産から控除できると助かります。
税理士 四十九日法要はお済とのことですが、残念ながら法要の費用は控除できません。
Aさん そうですか・・・
そういえば四十九日法要の時に、父と一緒に決めて購入した墓に納骨したのですが、その墓は1,000万円近くかかってしまいました。
父は墓を購入して安心したのか、直後に亡くなったんです。
といっても墓の購入代金は、父の生命保険金から払いましたので助かりましたけど。
税理士 えっ!
ということは、お父様の生前にはお墓の購入代金は未払だったんですか?
Aさん そうですが、何か?
税理士 ん・・・
お墓は相続税の非課税財産といって、1,000万円もかかったお墓でも相続税の課税対象にはなりません。
Aさん それは良かった!
父の希望していた通り、高いけれど家の近くにある墓を選んで良かった!
税理士 但し、Aさんが払ったお墓の代金は控除できません。
生前にお墓の代金を払ってしまえばその分、相続財産が減ったので、相続税を安くすることができたんですが。
Aさん そんな~
相続税の計算には本当に様々なルールがあります。
このケースでも、お父様の生前に相談に行っていれば、もっと相続税を安くできたかもしれません。
相続とは、人が亡くなって始まるものではなく、人が生きている今、既に始まっていると考え、是非早めに、専門家に相談することをお勧めします。
by コンパッソ税理士法人